「孝行好日」サイトでは、2024年5月1日から6月30日まで「感謝の気持ちを伝える、親孝行旅行企画キャンペーン」を実施しました。多くの方に参加いただき、誠にありがとうございました。本キャンペーンでは、読者の皆様から「親孝行旅行の企画」と「感謝のメッセージ」を募集し、当サイト運営会社で最優秀賞、優秀賞を決定。受賞された方に賞品をお届けしました。今回は、たくさんのご応募の中から、最優秀賞・優秀賞に輝いた企画と、受賞者3名の企画に込めた想いを紹介します。
「感謝の気持ちを伝える、親孝行旅行企画キャンペーン」では、A.「普段なかなか伝えられない母(父)への感謝を伝える」ための旅行企画と、B.「旅行を通じて母(父)に伝えたい想い」を届ける手紙の2つをテーマに、「孝行好日」サイト上でさまざまな旅行プランや母(父)へのメッセージを募集しました。
「小さくまとまらず、お母さんがまだ体験したことがない、心が震えるようなまだまだダイナミックに生きていきたいと思えるような素晴らしい体験をしよう。1人だとソワソワしてしまうなら、私と一緒に」。
Sさんは、最愛の母に、この想いを伝えるために「親孝行旅行」を計画したと話します。
そのきっかけは、7歳になる息子の運動会に母親を連れて行ったときの出来事でした。運動会が終わった後、Sさんの母は一通り孫の活躍について話した後、ポツリポツリとこんな話を始めたそうです。
「運動会では、いつもと違う刺激をもらった。普段見ることのない景色、出会わない年代の人達。この年になると、先のことばかり考えてしまって、物も増やさないように、お金もあまり使わないようにと、小さく暮らしてしまっている。だけど、もう少し世界を広げてみたいと思ったのよ。だけど1人で出掛けても、欲しいものもないし、やりたい事もないし、結局ソワソワして早く帰りたくなっちゃうのよね」
自身の年齢と老後を考え、慎ましく暮らす母。心の中では世界を広げたいと思いながらも、1人では気後れしてしまう……。そんな母の想いを知ったSさんは、「お母さんには、心が震える体験や初めての体験を通じて、知らず知らずのうちに蓋をしていた自分の『好き』『嬉しい』『楽しい』をたくさん見つけてほしい。そして、大きく楽しく生きていくためのヒントを見つけてほしい」と考えました。そこでSさんが計画したのは、母が感動できるようなミュージカル鑑賞と、母の好奇心を刺激する体験をメインにしたツアーです。
■プラン内容
ー 1日目
大阪で劇団四季のミュージカル「ウィキッド」を観劇した後、ロウリーズ・ザ・プライムリブ大阪でディナー。ミュージカルについて語り合いながら、母が食べたことがないような厚切りのローストビーフに舌鼓を打つ。その後、一生に何度も泊まれないような高級ホテル(ヒルトンやリッツカールトンなど)に宿泊してリッチな気分を味わう。さらに、母にとっては初めての「BARでカクテルを飲む」体験もできれば最高だと思います。
ー 2日目
翌日は京都へ移動し、普段なかなか着る機会のない着物を着付けてもらう。プロの手による着付けやメイクをぜひ体験してもらいたいです。きっとお姫様になったような気分で胸が熱くなるはず。その後は梅体験専門店『蝶矢』に行き、オリジナルの梅シロップ作りに挑戦。「自分で考える、自分だけのオリジナルを作ること」そのワクワクを母に体験してほしいんです。梅シロップのように、帰宅語も余韻に浸れるように、持ち帰れるものを作るところもポイントです。
続いて『AWOMB西木屋町』にて「手織り寿し」作りにも挑戦したい。このお店では、珍しい具材がたくさん用意されており、例えば「さくらんぼの天麩羅」といった珍しい料理体験ができるそうです。食材の驚くような組み合わせや美味しさ、新しい味を発見することで、母の視野も広がると思います。
■受賞理由
高齢の親にプレゼントする「孝行旅行」というと、体に負担を掛けないよう無理のないプランをイメージします。しかし、Sさんの企画は、新しいことへのチャレンジがテーマになっている点がとてもユニークでした。五感をフルに刺激され、きっとお母様も若々しさを取り戻すだろうと感じたのと同時に、他の読者にとっても親孝行の良いヒントになると確信し、最優秀賞に選出しました。
(株式会社加登 キャンペーン事務局)
「父が幼い頃に過ごした思い出深い土地、高知県佐川町を一緒に巡りたい」と話すOさん。2023年前期にNHK連続テレビ小説(通称、朝ドラ)で放送された神木隆之介さん主演の『らんまん』を視聴していた父の一言がきっかけで、この旅行プランを思いついたそうです。
「現在83歳になる私の父は、今から約71年前、高知県佐川町で暮らしていました。当時、私の祖父が国鉄(現JR)に勤務しており、西佐川駅長を務めていたため、中学1年生まで駅隣接の宿舎で暮らしていたそうです。
2023年に放送された『らんまん』は、同町出身の植物学者・牧野富太郎が主人公のモデルのドラマでした。
それを視聴していた父は、高知県や同町で暮らしていた少年期を思い出したようです。特に、ドラマの舞台のすぐ近くに住んでいた同級生に、『もし、元気だったら会いたい』、と。父は80歳を迎えたときに免許を返納し、現在は自転車で近くのスーパーなどに行く日々を送っています。そんな父が懐かしんでいる高知県佐川町を一緒に巡りたいと考えました」
元国鉄の職員だった祖父のことを想いながら、「JR線で、のんびりぐるりと周遊したい」と、Oさんは電車の旅を企画しました。
■プラン内容
ー 1日目
観光列車「伊予灘ものがたり」で高知県の高松から八幡浜まで行き、そこからロ―カル線で、現在は無人駅になっている西佐川駅へ。その後、観光列車「時代の夜明けのものがたり」に乗車し、高知駅前に戻り宿泊。
ー 2日目
観光列車「四国まんなか千年ものがたり」に乗車して、髙松駅へ戻り、帰路に着く。列車から見える景色を眺めながら、ゆっくり思い出を振り返る旅をしてほしいです。
■受賞理由
お父様の少年時代を訪ねる列車の旅。それだけでとても素晴らしい贈り物になると思いますが、Oさんが同行することにより、その思い出を追体験できる点にも魅力を感じました。Oさんが生まれる前のお父様の記憶を共有することで、お父様への理解が深まり、改めて感謝する気持ちと共に、親子の絆をより実感できる旅になることでしょう。
(株式会社加登 キャンペーン事務局)
「年老いた母が目いっぱい楽しめるような旅を」と、想いを込めて東京旅行を企画したKさん。「88 年間生きた母へ、思い出と喜びを」をテーマに、移動や食事面などで高齢者が旅行しやすい工夫が盛り込まれたプランになっています。
「私の母は 6 人兄弟の長女として生まれ、今年で 88 歳になります。母の 4 人の弟は皆、故郷を離れ、上京して事業を興し家族を持ちました。しかし、4 人とも既に他界。若いときは、母も自分の両親と一緒に何度も東京を訪れていましたが、 高齢になってからは一番末の弟の葬儀以来、もう10 年以上東京に行っていません。
今年は母の年子の弟の 33 回忌です。彼も東京で亡くなっており、墓もそちらにあります。この機会を逃すと母は二度と東京に行くことはなく、4人の弟たちの家族とも顔を合わせることはないでしょう。節目であるこの年に、母を東京に連れて行き、弟たちの墓参りと弟が築いた会社の見学、そして母の甥や姪、その家族になんとしてでも会わせてあげたいと思いました。年を重ねた母は、『もう東京に行くことはない』と諦めています。でも、もう一度、東京で目いっぱい楽しんでほしい。日頃から孫として母(祖母)の相手をしてくれている私の娘と、6 人兄弟の中で唯一存命の母の妹、そして母と私、『女 4 人の上京旅』を実施したいです」
高齢である母の身体的負担を考慮し、移動手段や食事などにさまざまな工夫を取り入れ、「旅行に消極的な母をこの企画で後押ししたい」とKさんは話します。
■プラン内容
ー 1日目
熊本 → 東京(羽田) → 弟の会社訪問(現在は姪が代表) → 甥姪とその家族との食事会 → 東京泊
ー 2日目
ホテル → スカイツリー(東京観光) → 墓参り → 東京(羽田) → 熊本
○母の身体的負担を考慮して以下のようにする
・飛行機はお昼前の便とし、プレミアムクラスを利用
・東京での移動は基本的にタクシーかグリーン席を利用
・長距離の移動が必要な際は車いすを利用
・宿泊は温泉付きの部屋にする、可能であればバリアフリーの温泉
・母の歯の機能が低下しているため、 食事は事前に柔らかめの食材をリクエストし、食事のストレスを軽減する
■受賞理由
Kさんの企画は、「移動の不安」「食事の制限」「高齢による心理的ハードル」など、高齢者が旅行をためらう理由に丁寧に向き合い、それらを乗り越えるための工夫が随所に見られました。お母様を思いやる温かな想いと、お母様の年齢を考えた現実的な配慮が見事に両立されており、多くの読者が「自分も母にしてあげたい」と共感できる企画だと思いました。また、亡き弟さんたちの人生の軌跡を訪ねることをテーマに盛り込んだ旅程は、親孝行の域を越え、家族の歴史や絆を「旅」という形で再確認する趣旨もあり、素晴らしかったです。「旅の力」を改めて認識させられる企画でした。
(株式会社加登 キャンペーン事務局)
■まとめ
今回のキャンペーンでは、入賞された旅行企画だけでなく、応募いただいた全ての企画が、誰かにとっての特別な旅行であり、親への温かい想いが込められていると感じました。旅先や、その旅程を選んだ背景には、家族の絆が感じられるエピソードであふれていました。旅行内容はそれぞれでも、共通しているのは「親を喜ばせたい」という想い。ぜひ親孝行の旅を実現して、思い出に残るひとときを過ごしていただきたいと思います。改めて、本キャンペーンにご応募いただいた全ての方に心から感謝を申し上げます。