バレンタインデーというと、今の60代・70代の方々が若いころには「1年に一度だけ女性から男性へ愛を告白する日」として、胸をときめかせた思い出のある日でした。
最近ではずいぶんイメージも変わり、自分へのご褒美や友チョコなどで楽しむ女性が多いですが、今も昔も変わらないのは「バレンタインデーは自分にとって大切な人へ想いを寄せる日」ということです。
今年はバレンタインデーを「親孝行の機会」と捉えて、ご両親に心を向けてみませんか。

親世代の方々にバレンタインデーのプレゼントについて本音を伺ってみました。予想外に多くのお父様がバレンタインの贈り物を好意的に受け止めています。
●お嫁さんからの思いがけない感謝に感動する
「息子が結婚してお嫁さんが簡単なメッセージカードとチョコレートやワインをくれるようになりました。思いがけないことでしたが、その優しい気持ちがとてもうれしいです。」
(70代 Mさん他多数)
●妻や娘からもらえると、「心の余裕」に安心する
「妻や娘からはチョコレートをもらわないことがあってもがっかりすることはありません。ただ、仕事やその他のことで大変なタイミングなのかを感じ少し心配になります。もらったときには少し仕事や心に余裕があるのだろうと思うので、そこに安心できて、うれしいですね。」
(60代 Sさん)
●孫からのプレゼントはとびきりうれしい
「孫からもらえると何よりうれしいですね。もうすぐ孫娘がもう一人生まれるので、その子からもチョコレートをもらえる日まで長生きしようと励みになります」
(60代 Kさん)
長生きしたいというモチベーションにまでなるのですから、親(祖父母?)孝行のパワーはとても大きいのですね。

ここまでは、娘やお嫁さんからお父様へ愛や感謝を伝えるという視点でしたが、視点を変えて「お父様とお母様が仲良く過ごすためのお手伝いをする」のはいかがでしょうか。
●お母様の背中をそっと押す
何十年と連れ添ったご夫婦であるお父様とお母様。お互いに空気のような存在となり、いつしかお父様にチョコレートを贈らなくなったお母様も多いのではないでしょうか。お母様は「今更チョコレートをあげるのもなんだか照れ臭い」と思っているかもしれません。
そんなお母様には、「お父さんに贈るチョコレートを買いにいこう」と誘ってみてはいかがでしょう。久々にお母様からもらうチョコレートにお父様も思わず驚いて笑顔になることでしょう。
「そういえば昔、もらったね」「そうそう。初めてチョコレートをあげたときは…」とご夫婦の会話が弾み、笑顔があふれる一日になればうれしいですね。1か月後のホワイトデーには「お母さんにあげるホワイトデーのプレゼントを一緒に買いに行こうよ」とお父様とお出かけするきっかけにもなるかもしれません。
●「モノ」より「夫婦の時間」を贈る
夫婦でおいしい食事を楽しむ機会を望んでいるお父様もいました。そんなお父様の場合は、ご両親のお出かけを提案してはいかがでしょうか。お二人で出かけられない事情がペットだったり介護だったりする場合は「今日は私が見ているから、二人で行ってきて」と言ってあげれば、それも立派な親孝行といえるのではないでしょうか。
「娘が小学生のころ、祖父(私の父)にチョコレートをあげていて、それを父はとても喜んでいました。父が亡くなった今、私も娘と一緒にあげればよかったなと思ってしまいます。簡単にできる親孝行だったのに。」(60代女性 Tさん)
実の娘でも、大人になれば父親と親しく話す機会はなくなりがちです。だからこそ、バレンタインデーを日頃なかなか伝えられない感謝の気持ちを届ける、ささやかなきっかけにしてみてはいかがでしょうか。小さなきっかけが、親孝行のはじまりになります。
甘いものが好きな方には、おすすめのチョコを。
健康が気になる方やチョコレートが苦手という方には、チョコレート以外のものを。
プレゼントの代わりに、ご両親が一緒に過ごす時間をさりげなく用意することも、立派な親孝行です。二人でお茶をしたり、外出するきっかけをつくることは、ご両親の夫婦仲をやさしく後押しすることにもつながります。
どんな形であれ、ご両親にとってうれしいのは、あなたのやさしい心と「ありがとう」のメッセージが伝わることです。その気持ちがお父様の笑顔を呼び、お母様の喜びにつながります。そしてご両親の笑顔が、何よりあなたの幸せにもつながるのではないでしょうか
取材/文 宗像陽子