朝、台所に立ちながら、ふと亡き親や大切な人に今日の予定を報告したくなる。夕方の食卓で、子どもの成長を見せてあげたいと思う。親や大切な人を見送ったあとも、話しかけたい気持ちは日常の中に何度も訪れます。

そうした中で、身近に故人を感じたいと考えるのは、ごく自然な流れです。その方法のひとつに、遺骨や遺灰の一部を身近に置いて偲ぶ、手元供養があります。小さな骨壺に納めてリビングや寝室に飾る、ペンダントなどに納めて身につける多種多様なスタイルがあります。
火葬した遺骨をお墓に納める際に、そのうちの一部を持ち帰り(分骨)、納めるのが一般的な流れです。
写真や季節の花とともに、暮らしの中に「故人との語らいの場」をつくることができます。朝に挨拶をする、出かける前に手を合わせる、嬉しい出来事を報告する。故人とのつながりを感じる時間が、日常の中に自然と生まれます。
仏壇のように場所や形式が決まっているものではなく、それぞれの暮らしや想いに合わせてかたちを選べることも、現代の住まい事情になじみやすい理由のひとつです。
分骨のタイミングとしては、先述の通り火葬のときが最もスムーズです。その場で遺骨を分けることができ、必要な証明書も発行してもらえます。一方、納骨後に分骨する場合は、お墓を開ける作業や手続きが必要となり、負担が大きくなります。だからこそ、慌ただしい時期に初めて知るのではなく、元気なうちに方法を知っておくことが大切だと思います。

お骨を納める器といっても、いまは従来の骨壺のイメージとは異なる、部屋に飾りたくなるような美しいデザインのものが増えています。手のひらにおさまる小さな骨壺をリビングに置く。ジュエリーに納めて一緒に出かける。故人と語らう場所は、それぞれの暮らしに合わせて選ぶことができます。
そんな「暮らしの中で大切な人を想う」という考え方から生まれたのが、SAMSARA(サムサラ)です。
SAMSARAという名前は、サンスクリット語で「輪廻」「巡りゆくもの」を意味します。大切な人とのつながりが、これからも暮らしの中で続いていくように。そんな願いを込めて、住まいに自然になじむ小さな骨壺や、身につけられるジュエリーなど、日常の中に
「大切な人を想い語らう場」
をつくるための品々を提案しています。
をつくるための品々を提案しています。

嬉しいことがあった日にそっと報告する。迷ったときに心の中で話しかける。そんなふうに大切な人を想い続けることもまた、ひとつの親孝行のかたちかもしれません。いつかのためにまずは「こんな方法もある」と知っておき、機会があれば家族で話してみる。それも、今からできるやさしい備えだと思います。
お墓で大切な人と向き合う時間も、暮らしの中でふと話しかける時間も、どちらも故人とのつながりを感じる大切なひとときです。お墓を大切にしながら、日常の中にも語らいの場を持つ。そんな選択肢があることを、いつかのために知っておくのもよいのではないでしょうか。
文/戸田敏治