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今できる親孝行2024.08.19「敬老の日」は感謝を伝える孝行の日?!

毎年9月の第三月曜日は「敬老の日」です。2024年は9月16日が敬老の日。祝日なので、祖父母に会いに行ったり、贈り物をしたりする人も多いでしょう。この敬老の日は、多年にわたり社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う日として制定されました。今回は、その由来と何をすべき日なのかを考えていきます。

「敬老の日」の始まりは、「年配の人を大切にしよう」という想い

「敬老の日」の由来については諸説あります。よく知られているのは1947年に、現在の兵庫県北播磨多可町で開かれた「敬老会」を始まりとする説です。当時、多可町に当たる地域の村長が、「老人を大切にし、知恵を借りて村を発展させよう」と提唱したことが、敬老会のきっかけになりました。

この村長には、戦争へ子どもを送り出し、精神的に落ち込む親たちの気持ちを汲んで、励ましたいという想いもあったようです。そこで、9月の農閑期に敬老会を開いたところ、この考え方に賛同する人が増え、次第に全国へと広まっていきました。

その後、「としよりの日」「老人の日」といった改称を経て、1965年に国民の祝日「敬老の日」が制定されました。以降、2002年までは毎年9月15日と決められていましたが、2003年から現在の9月の第三月曜日に変更されました。

他にも、9月15日は聖徳太子が老人や病人、孤児など、貧しい人向けの施設「悲田院」を設立した日であるという説もあります。また、奈良時代に元正天皇が美濃国(現在の岐阜県)の「養老の滝」に行幸した日であるともいわれています。

ちなみに、この養老の滝には、親孝行息子の伝説があります。当地で木こりをしていたある青年は、年老いた父親のために、好きなお酒をたくさん飲ませてあげたいと願いながら働いていました。ある日、どこからか甘い匂いが漂ってきたため、辺りを見渡すと、岩の間から小さな水が流れており、水を汲んでみると、それは美味しいお酒でした。そのおかげで、青年は父親にたくさんお酒を飲ませてあげることができた、という伝説です。

元正天皇はこの話にたいそう感激し、元号を「養老」に制定、さらにこの青年を美濃守に任命したともいわれています。

「敬老の日」は祝うべき年齢に決まりはなし!身近な年配者に孝行する日と考えよう

敬老の日は、明確に「何歳から祝う」という決まりはなく、慣習もありません。敬老の日は、長年社会に尽くしてきた高齢者を敬愛し、長寿を祝う日とされ、一般的には、自身の祖父母を労い、日頃の感謝を伝える日と考えている人が多いでしょう。

祖父母を対象に祝う日というイメージの強い「敬老の日」ですが、祝うべき対象者の年齢に基準がないのなら、祖父母や両親をはじめ、身近な人に「日頃の感謝を伝える日」と考えてみてはいかがでしょうか。生き方や家族の在り方が多様化している今、「目上の人を敬う日」「お世話になっている人を敬う日」と考えれば、年齢に囚われずにお祝いできます。

祖父母だけではなく、両親にも自分のできる範囲で感謝を伝えることも立派な親孝行。今後ますます良い関係性を続けていけるはずです。

「敬老の日」は自分なりの方法で祝おう

敬老の日の祝い方には、決まった慣習がないからこそ、自分なりの方法で祝うことができます。祖父母や両親、これまでお世話になった人に普段はなかなか言えない感謝や労いの気持ちを行動につなげるとよいのではないでしょうか。

普段、年配者に対して思いを馳せる機会が少ない人は、お年寄りに敬意を持ち、親切心を忘れないように心掛ける日と考えてみましょう。敬老の日をきっかけに、お年寄りを敬う気持ちを持つ人が増えれば、高齢者がより生きやすい未来につながっていくはずです。

■まとめ

敬老の日は、家族かどうかに関わらず、身近にいる年配者を敬い、感謝を伝えるための日として考えてみるのはいかがでしょうか。年配者から昔の話や思い出話を聞くのも、自分にとって大きな学びになるでしょう。また、感謝され、労われる側も、応援してくれる人の存在を嬉しく思い、これからの人生をより前向きに進めるようになるはずです。

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